ルルくん・イン・シンガポール その8
「ルルくん・イン・シンガポール その7」 より続く。
午前中のミーティングを終える。 スケジュールが目白押しなので、今日もランチボックスかと思ったが、外へ出かけるらしい。 オフィス内のエアコンが効きすぎているため、屋外に出るとその温度差にびっくりする。 皆とストリートをぶらぶら歩く。 昼間のチャイナタウンは落ち着いている。 フルーツ店の軒先にはたくさんの果物がぶら下がっている。 日本ではあまり見かけないものがたくさんある。 タイに行ったときに味を覚えた、マンゴスチンやランブータンもある。 冷やして食べればおいしいだろうなと思う。
タンジョン・パガー(Tanjong Pagar)駅を過ぎて少しのところに目指す店があった。 今日はここでランチを食べる。 ブルー・ジンジャー(The Blue Ginger Restaurant) という名のレストランだ。 シンガポールには先に述べたように、様々な種類の料理がある。 このレストランは、そのシンガポール料理の中でも代表的な、プラナカン(Peranakan)料理で有名な店である。 プラナカンとは、マレー系の先住民と中国人やインド人などの移民との結婚によって産まれた子孫のことを指し、プラナカンの女性をニョニャ(Nyonya)と呼ぶ。 そのため、プラナカン料理はニョニャ料理とも呼ばれる。 マレー料理と中国料理の影響が強く残る料理で、それらの共通項であるスパイスをうまく取り入れた料理である。
店の外観は、黄色と赤で彩りされているが目立つというよりは、これがなかないいセンスの配色である。 店の中は、二階に案内される。 木製の円形のテーブルに座りメニューを渡される。 英語で書いているが、ここは Sherina に注文を任せる。 周りを見渡すと、民芸品だかなんだかわからないが、色んなものが飾られている。 しかし、押し付けがましい感じではなく、質素に飾られているのがいい。
注文した料理が次々と出てくる。
まず前菜だ。 ンゴー・ヒャン(Ngoh Hiang)と呼ばれる料理だ。 豚やエビをミンチ状にして、生春巻きの皮かゆばで巻き上げ揚げた料理だ。 ミンチ肉にしっかりとスパイスで味付けがされている。 次にスープが出てきた。 バクワン・ケペティン(Bakwan Kepeting)というプラナカン料理の代表的なスープである。 ポークのミンチとカニ肉のミートボールが入り、たけのこも加わったかすかにガーリック風味がただようスープだ。 あっさりしているがとてもおいしい。 そして、メインディシュとして、アヤム・ブアクルア(Ayam Buah Keluak)が出て来る。 ブアクルアというインドネシアのブラックナッツとともに、チキンとエビをカレー風味で煮込んだプラナカン料理の傑作と言われる料理である。 カレー味の中にレモングラスの風味が効いているのがよく分かる。 本当においしい。
その他、いくつかの料理が出てきた。 料理名は分からなかったが、どれも素材を上手く活かしながら、スパイスのパンチが効いた、しっかりとした味付けがなされた極上の料理だった。
そして、デザートは名物でもある、ドリアン・チェンドル(Durian Chendol)。 チェンドルとは、チェンドルというゼリーが入った日本で言うカキ氷である。 このチェンドルにブラウンシュガーとココナッツミルクで味付けをしている。 そして、「具」として、あのドリアンを小さくカットしたものを入れている。 このドリアン、ご存知の方が多いとは思うが、「果物の王様」と呼ばれるほどの甘くフルーティな果実であるが、強烈な臭いを発するため、好き嫌いが分かれる。
早速、周りの皆が口にするが、どうも "NG" という人が多い。 ドリアンを食するのは初めてだが、自分も食べてみる。 まず、このシロップがおいしい。 ココナッツミルクがくどくなく、チェンドルゼリーの舌触りとアイスのフレークのシャリシャリ感が融合している。 そしてドリアン。 食べてみるが、カキ氷の中にあるせいかそれほど臭いは感じない。 果肉の柔らかさと甘さを十分に味わうことができる。 気がついたが、ドリアンとともに、小豆の甘煮も入っていてこれが上手くマッチしている。 このチェンドルは、あちこちの路上でも売られていて、色んな味が楽しめる。
「ルルくん・イン・シンガポール その9」 へ続く。
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